なおす・集積について 「浜辺に落ちている青い断片の集積から、『青い入れ物』を復元すること」  


 一口に「青い入れ物」と言っても千差万別である。色、形状、大きさ、破損、汚れ、古さ、文脈、、、それら一つ一つの断片は全て異なっていて同じものがない。「青い入れ物」を復元して行く過程で、各々断片個々の特性が生かされ、殺され、反響し、影響しあう。そうして「青い入れ物」というイメージを膨らませ、揺るがし、裏切りつつ強化して行く。一つ一つの部分としての予期せぬ具体的事実は、当初の計画やイメージを揺さぶり続け、また同時にその変更を要請し続ける。 「青い入れ物」の復元作業は参加部位全員が奏でる一つの物語のようなものである。その物語は題名の他何も決められてはいない。「青い入れ物」とは仮の目標、みんなを制御する荒縄の様なもの。個々の多種多様な声と荒縄の綱引き。その力関係ではじめて見えてくるその全体像。それはありうべき「世界像」をめぐる一つの具体的かつ象徴的実践にほかならない。                    

 2004、8、8 青野文昭