「チェジュの泉」
　モーテルの各部屋に配されていたタイルの張られた湯船の断片から生まれた彫刻。断片の形態を補完して円形の塊とする。円形の底部分にはモーテル各部屋に配されていた特徴的な円形の鏡を取り付けた。鏡は反射し、水を張った湯船のようで、井戸のようでもある。もともとこのDongmun Motelモーテルのある場所には、古くからの井戸があり（画像参照）、きれいな水が湧く場所であった。すぐとなりに済州島最大の市場があることからも、この泉は、この土地の源であったのではと推測してみることができる。古代からの泉があり、人々が集まり、町ができ、モーテルが建てられ、美術館となった。そのようなこの土地の歴史の源として、縦軸の時間を内蔵した作品。